たとえ愛なんてなかったとしても
結局一言も話さないまま、宿舎の駐車場に着いた。


何で迎えにきたのかも分からないし、突然迎えにきたかと思えば全然話さないし。

なんだったんだろう。

やっぱり、分からない人。



「わざわざ迎えにきて頂いて、ありがとうございました」



車から出て自分の部屋に戻る前にエリックさんに挨拶したら、彼も車から出てきた。

ちょっと待ってと声をかけられたので、足をとめてエリックさんの方を見る。



「あいつにも悪いし、今さらだけど」


「......何がですか?」


「お前が好きだって気づいたんだ。
もしまだその気があるのなら、考えてほしい」



本当に今さらだし、何の前触れもなくいきなりだし、そもそもそんな話がしたいなら車とか他の場所でしてほしかったけど。

でもすぐに、そんなたくさんの不満もどうでもよくなった。

嬉しくて、嬉しくて、もうどうしようもなく嬉しかったから。



「私も、......好きです。 
考えるも何も、何を考えたらいいのか分からないくらいに好きです。

何回も好きなのやめようと思ったし、何回も嫌になったけど、一瞬だって好きじゃなかった時なんてないんだから」
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