たとえ愛なんてなかったとしても
「知ったらもっと帰りたくなるかもね。

たとえば......ヘビ掴み競争、とか」


「は!? ヘビ掴み競争!!??
何か分からないけど、ものすごく嫌だ!

あの、冗談......だよ、ね......?」



すがるように私の腕を掴んだ俊輔に、残念だけど本当よと告げたら、頭を抱え込んでしまう。



「毒はないみたいだから」


「当たり前だよ!
毒があってもなくても、ヘビは嫌だよ!

キャシーはヘビ、得意そうだな......」



さりげなく失礼なことを言われたので首を絞める振りをした。

ヘビ得意そうってどんな人よ!

得意なわけないけど、もう決まったことだし仕方ない。
やるからには全力で勝ちにいく。



「俺は歌手だと思ってたら、いつの間にか芸人になってたのか......。

そんな芸人くらいしかやらないようなこと......芸人でも体張ってる人しかやらないんじゃないか?」


「今は歌手もお高くとまってたら、生き残っていけない時代だから」
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