たとえ愛なんてなかったとしても
「そりゃまあ、取り返しがつかないことがあるのは分かるけど。
どう考えたってそれ、今じゃないよな!?」



まだブツブツ言ってる俊輔をじっと見てから、今だよとにっこりと笑いかける。



「いやいやいや!おかしいだろ!
自分が俺に同じことしても、ごめんの一言で済ませるんだろ!?

水こぼしただけで、こんなに買わされるなんて納得できない!
絶対に納得できない!」



さらにそれから散々私を罵倒した後で、俊輔はフライトアテンダント呼び出しボタンを押してから、機内販売の雑誌を私の手から奪い取った。






「どうされましたか?」


「入国審査の紙、二枚ください。
それから、このページと、このページの化粧品も」




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