Second Secret
「先生?」

「何だ」

「どうして優奈さんに、あんなこと言ったんですか?私と付き合ってるのを親に言うなとかなんとか...」


あの時は、別にあえて親に言うことでもないからかなって思ったけど。

何となく、不思議に思えてきて。


ただ本当に、何となく。


「もう戻んぞ、帰りが遅くなる」


そうやって先生は、私の言ったことを明らかになかったことにしたから。

何か他に理由があるんじゃないかと、思ってしまう。

だからと言ってここでもう一度聞き直すほどの勇気もなくて。


あえてなかったことにしたのは、きっと言いたくないことがあるから。

だったらそこに無理に踏み込んでいかないほうが、きっといいんだ、なんて思ってしまう。


でも、私とのことを秘密にする必要が、あるんだろうか。

気になっても結局、答えは出ないから、考えるのをやめることにした。
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