きみくじ当てます

「あああ、王子!王子ぃ!やっぱ九条は王子だわ!」


「いいから早く用件を言えよイノシシ」


「妖精がいなくなっちゃったの!」


「「は?」」


妖精?


何言ってんだこいつバカか。

妖精なんているわけねーだろ。


いや待て、山崎のことだ、なんか他の……


妖精。


ってまさか


「柊のことか…?」


「そう!そうなの優那ちゃん!さっきから探してるんだけどどこにもいないの」


どうしよう、と山崎はおろおろと真宏にすがりついている。


柊がいなくなったって?



「そんな、トイレとかじゃねーの?自販機のとことか…」


「そんなもん、とっくに探したっ」


……さようでございますか。


山崎は視線を下に下げながらぼそりと呟いた。


「打ち合わせ中に、男の子に呼ばれてからそれっきり……」


「は?」


「おっ」

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