きみくじ当てます
「言ってこいよ。柊ちゃんにちゃんとそれ、伝えろ」
「ああ。ありがとう真宏。」
「手がかかって困るよ」
いってらっしゃい、と手を振る真宏にくるりと背中を向けて、教室を出ようとした。
が、
ちょうど教室に入ってきた狂暴イノシシによってそれは阻まれた。
「王子ぃ!まじやばいんですけど!」
「ぐはっ、山崎…、」
「あら久賀、いたの」
いたの、じゃねーよ。
こちとらお前の突進で鼻やられたんですけど。
鼻血でそうなんですけど。
いや、山崎サンの色気に負けたとかじゃなく。
「なに~?鼻押さえたりして。はっ!まさか私の色香にやられちゃった!?」
違うって言ってんだろイノシシが!
「で、山崎ちゃんどうかしたの?」
真宏は俺の心配なんて皆無で山崎の心配をしている。
ここは俺を心配してくれても良くない?