蒼碧



「言っている意味、わかってる?安芸」



じりじりと私に顔を近づけてくるお姉様の香水の匂いに、思わず息を止める。



「蜜季は、私と毎日のように愛し合っているのよ」


「………」



パリン、と自分の中で何かが弾けた気がした。



「蜜季は、私の初めての男なの」


「………」


「私のお付きになったその日に、抱いてもらったわ」


「………」


「―…今日も、来るのよ?」


「………」


「あなたも、見にくる?うふふっ」



含み笑いを零しながら、お姉さまは家に入っていかれた。


私は、しばらくその場から動けなかった。
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