何度でも、君にkiss。
―−―−
中学生の頃。
俺は父さんが病気で死んでしまったという重い現実に向き合うことが出来なかった。
それから俺は荒れに荒れた。
心の穴を埋めたくて、毎晩、女をとっかえひっかえ抱いた。
それでも、ぽっかりと心に空いた大きな穴は消えなくて…万引きもした。タバコや酒にも手を出した。
もう自分が何を求めているのか、何のためにこんな行為をしてるのか、分かんなくなっていった。
完全に自我を失っていた。
そんなとき、いきなり葵が俺の家に訪れた。
インターフォンが鳴り、ドアを開けて葵を招き入れると…。
―−パシンッ
乾いた音が玄関に響いた。