無題



(何回クラッドの背に何度跨っても、この感覚だけは慣れないなぁ・・・)


 クラッドの広い背に跨りながら、そんなことを思っていた。



 スレイプニルは、独特の時間の流れを有しているようで、馬が駆ける程の負担しかなく、風も穏やかに前髪を弄んでいる。



 それなのに周りの景色がぼやけて、その速さを物語っているのだから不思議である。

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