それでも貴方を愛してる



私のマンションの部屋は一番上にあって、葵は私の家に来たことないからわからないだろうと思って下に降りた。


どうやって来るんだろうと考えていると遠くから誰かが走って来るのが見えた。


暗くてよく見えないけれど、葵だと思った。


「はぁ、はぁ、」


でも、走っていたのはランニング中のおじさんで、息を乱しながら私の前を素通りした。


がっくりと肩を落とした。


そーだよね…

葵が私に会うために走って来てくれる訳ないもんね…。


期待した自分を哀れんだ。

< 34 / 207 >

この作品をシェア

pagetop