【完】結婚させられました!?
むーっと頬を膨らますと、「自覚ないの
かよ」なんて苦笑いされて。
そんな困ったような笑いのまま、部長が
ちらっと的がある縁側の方を見た。
「ていうかさ、お前の彼氏暴走してんだ
けどどうにかしろよ」
そう言われて、そちらを見れば、的に向
かってひたすら矢を放っている先輩が。
凛とした姿勢で放たれた矢は、真っ直ぐ
に全て真ん中に飛んでいく。
「カッコいい……」
「いや、カッコいいとかじゃなくてさ。
キレが良すぎて怖いんだって。見ろよあ
の雰囲気」
俺ら三年も近寄れねーよ、なんて言うか
ら見れば、確かにちょっと暴走してる感
じだった。
ていうか、ピリピリしてる……?
「とにかく、頼んだぞ?」
「え、ちょ、部長!?」
丸投げですか!私だってあんな先輩、あ
んま知らないのにーっ!