【完】結婚させられました!?
「おっ、音夜君!?」
ここ、恋人繋ぎなんですけど!ていうか
周りの視線が痛いんですけどー!?
音夜君はすごくイケメンだから、当然、
女の子の視線を集める訳で。
羨望と嫉妬の眼差しが、痛い。先輩と付
き合いたての頃も、確かこんな感じだっ
た気がする。
「彼氏とラブラブなんてさせるかよ!」
前を向いたまま、苦々しげにそう吐き捨
てた音夜君に、胸が締め付けられる。
想われてるのが、わかって、痛い。
本当は気付いてた。音夜君の想いが、本
気だって事。
だけど───……。
認めたく、無かった。それで何かを得ら
れるのだとしても、何かを失うくらいな
ら。
認めたく無かったんだ───……。
◆◆◆
「……まさか、ここ?」