【完】結婚させられました!?
クスッと笑いながらそう言う音夜君は、
いつも通りカッコいい。
「う、うん。劇は午後だから……」
「ふーん?んで、心優はどこに行こうと
してたの?俺も行く」
「……えっ!?」
お、俺も行く……って。
だって、先輩の所に行くんだよ?それに
先輩のお店は───……。
口ごもった私をみて、どうしてか表情を
険しくさせた音夜君。
琥珀色の瞳が、何かを探るように私を見
つめていた。
「───……先輩の所に行くんだろ」
「ふぇ!?」
「彼氏の店に、行くんだろ?」
ジッと瞳を覗きこまれながらそう聞かれ
て、やむなく頷く私。
すると音夜君は、私の右手を握って、指
を絡ませて来た。