【完】結婚させられました!?
「ヨウ」の源氏名と、ちょっとムスッと
している先輩の写真。それから、「2」
の文字。
「先輩……二位なんだぁ」
スゴいなあ。きっと、モテモテなんだろ
うな、ちょっと複雑だけど。
不意に、後ろに立つ音夜君から、なんだ
か不穏な空気が漂いはじめてるのに気付
いたけど。
とりあえず怖いんで、無視。
「あれ、もしかして君、陽介の彼女?」
「あ、はい」
「じゃあ、その後ろの君は───……」
そう言いながら、チラッと音夜君に目を
向ける受付の人。
「婚や───」
「幼なじみなんです」
音夜君の言葉を遮るようにして、そうニ
ッコリと微笑めば、音夜君は不服そうに
唇を尖らせた。
ったく……、何を言い出すつもりだ。
「じゃあ、適当に席に着いててよ!俺、
陽介呼ぶから」