【完】結婚させられました!?
出会い頭で一触即発、とでもいうような
この雰囲気に、私はただただおろおろと
取り乱すばかりで。
この二人、もっと仲良く出来ないのかな
、なんて思ってみても、とてもそんな事
を言えた雰囲気じゃない。
「心優、なんで鷺沼がいんだよ」
「え!?あー……なんか着いてきちゃっ
て……ごめんなさい」
ペコリと頭を下げれば、諦めたようにた
め息をついた先輩。
それから先輩は、私の隣に座ってきた。
それだけで、いつもとは少し違う先輩に
ドキドキしてきてしまう。
先輩の癖のないサラサラの髪の毛も、今
日はワックスで少しだけ立ててあった。
「せ、先輩……?」
「ん?」
「ち、近くないですか!?」
先輩は、私の隣に座るだけじゃ足らない
のか、私の腰にも腕を回して。