【完】結婚させられました!?
『只今より、シンデレラの公演を始めま
す』
私にとっては文化祭一番の頑張り所の、
演劇が幕を上げた───……。
「……やべー、緊張してきた」
とりあえず、一番最初の出番が終わり、
舞台裏に行くと、きらびやかな王子様の
衣装を身につけた大倉が居て。
胸に手を当てながら、苦笑いした。
というか、本当に絵本から飛び出してき
たようなくらいにカッコいい。
ていうか王子様の衣装が似合いすぎてて
、逆に怖い。
「黙ってれば完璧なのに……」
「おい。聞こえてるからな?わざとか。
てか、イジメか?」
心の中でひっそりと呟いたつもりが、ど
うやら表に出していたらしく。
大倉はひきつった笑みを浮かべながら、
私を目だけで睨んでいた。
「私、素直だから」