【完】結婚させられました!?
まったく油断も隙もねえな、と忌々しげ
に呟いた先輩に胸キュン。
小さな嫉妬に気付いちゃって、顔がちょ
っぴり火照った。
「あ、心優ちゃん、にやけてる~」
「ちょ!か、からかわないでください!
そんな風に言うんだったらもう、チョコ
レートあげませんよ!?」
そう言うと大河原先輩が目を丸くして、
先輩は不機嫌そうに目を細めた。
「え、あるんだ!?」
「……んまぁ、一応。義理ですけど」
「え!普通に嬉しい!」
「……今から配ろうと思ってたんで、こ
れ」
そう言って、紙袋から、ラッピングされ
た袋を取り出す。
それを渡すと、大河原先輩が嬉しそうに
微笑んだ。
「ありがとー!……って、陽介、顔」
「あ゛?」
困ったように眉毛を下げた大河原先輩に
、ドスのきいた声を出す先輩。