【完】結婚させられました!?
寒いのか、鼻の頭が赤くなってるのが可
愛い。
「チョコレート渡したいんで、今日一緒
に帰りませんか?」
「ん。いーよ」
先輩がそう言ったとき。
「いいねぇ、リア充は。俺も彼女ほしー
。心優ちゃん、俺にはないのー?」
相変わらずゆるりとした声色が聞こえた
かと思うと、肩に重みがのっかって。
「大河原先輩!」
そちらを見れば、大河原先輩が私の肩に
顎を乗っけていた。
唇を尖らせながら、拗ねるように私を見
ている。
「……純、離れろ」
「ハイハイ。わかったから弓を人に向け
るのはやめよーか?」
ちょっぴり青ざめながら、両手を挙げて
"降参"のポーズを取りながら離れていっ
た大河原先輩。