【完】結婚させられました!?
髪の毛は……別にデートとかじゃないん
だし、どうでも良いよね。
そう思い、横で一つにまとめて、シュシ
ュで結んだ。
まだ寝てるんだろう音夜君を起こさない
ように注意しながら、家を出る。
───……時計台には、すでに大倉が居
た。
黒のジャケットに、細身のジーンズを穿
いた大倉は、腕にシンプルなシルバーの
ブレスレットもつけていて、どこかのモ
デルみたいにかっこよかった。
その証拠に、回りのお姉さん達がチラチ
ラと大倉を横目に通りすぎる。
さすが大倉。見た目だけは文句ナシだね
。なんて思っていたら。
向こうから、大倉が不機嫌そうな顔で歩
いてきて。
「遅い」
そう言いながら、私の目の前に立った。
「遅い、って……いきなり誘われたこっ
ちの身にもなってよね」
「……ハイハイ」