【完】結婚させられました!?
ニッコリと穏やかそうに微笑んだその人
が、ふと、驚いたように目を見開いたか
と思えば。
「……あれ、心優ちゃん?」
と私を呼んだ。
だけど香山さんに見覚えはないし、その
名前すら記憶になくて。
怪訝な表情で首を傾げる私を、香山さん
はクスッと笑った。
「ああ、いきなりごめんね?心優ちゃん
も流石に俺を覚えてないよね」
だって最後に会ったの、心優ちゃんが三
歳の時だったもんね。
そう微笑んだ香山さんに、やっぱり首を
傾げる私。
私と香山さんが、三歳の時に会ってるっ
てこと?
「俺は音夜の従兄だよ」
「え、音夜君の……あぁ!」
そう言われて、そういえば、と思い出す
。
小さい頃、音夜君と私と、誰かお兄さん
と遊んでたかもしれない。