【完】結婚させられました!?
それが、香山さんって事か。
なるほどね、と納得していると、
「そういえば、ここに音夜も来てるよ?
」
と言ったのと、ガサ、という物音がして
、両手をズボンのポケットに突っ込んだ
気だるげな音夜君が出てきたのは、ほと
んど同時だった。
昨日から用事で家を抜け出したと思った
ら……ここに居たのか!
音夜君は、一瞬私に微笑んでから、先輩
に挑発的な笑みを浮かべて見せた。
「……コンニチハ。神崎先輩」
そんな音夜君に、先輩の眉がピクッと反
応して。
先輩が、鬱陶しそうに音夜君を睨んだ。
「なんでここにお前が……」
「えー?俺、毎年来てるんですよ。今年
はたまたま先輩達と被っただけで」
ニッコリと笑う音夜君。