【完】結婚させられました!?
細めたその瞳は凍てつくように冷たくて
、先輩に挑戦状でも叩きつけるかのよう
だった。
「まあまあ、とりあえず落ち着いて」
そんな二人を宥めたのは、意外にも香山
さんだった。
ずっと傍観してたのに。
さすがにお世話になる手前、先輩も逆ら
えないのか、バツが悪そうに視線を逸ら
し。
音夜君も、しぶしぶといったように目を
逸らした。
私の側に居たがる音夜君は香山さんに無
理やり連行され、無事とは言い難いもの
の、合宿が始まった。
一日目の練習が終わったのは、日もすっ
かり暮れた、夜だった。
へとへとになりながらもどうにかジャー
ジに着替え、道具を仕舞う。
畳に腰をおろして一息ついていたら、隣
に先輩がやって来た。
「お疲れ様」
「あ、先輩…。先輩も、お疲れ様です」