【完】結婚させられました!?
そう言うと、先輩は、ん、と短く頷いて
。
すると先輩は、一瞬私を見つめたのち、
グイッと私にからだごと迫ってきた。
不意討ちで近くなる先輩との距離。
先輩の吐息が唇を撫で上げるほどに近い
その距離に、ドキドキと心臓が暴れだす
のに、先輩は至って平然としていて。
ドキドキしてるの、私だけ……?
ぶつかる視線の強さと甘さに耐えきれず
に目を伏せると、先輩の手のひらが頬に
伸びてきて。
感触を楽しむかのように、私の頬を擦る
。
「……俺ね、下心満載だよ?」
ポツリ、と放たれた言葉は、私を真っ赤
にさせるには充分で。
「強化合宿で、彼女と一緒でドキドキし
ない訳がないし。いつ、触れられるかな
って」
先輩はそこで言葉を止め、頬に当ててい
た指先を、するり、と私の顎へと逸らし
た。