【完】結婚させられました!?
そんな心優の頭をそっと撫でてやると、
心優は気持ちよさげに目を細めた。
まるで仔猫みたいなその仕草に、胸が高
鳴る。
「婚約なんて気にすんな。お前の彼氏は
、俺だろ?」
俺だけを見てればいいんだよ。
すると心優がちょっぴり恥ずかしそうに
頬を染めながら、コクンと頷いた。
「うん……」
心優は誰にも、渡さない。
◆◆◆
そのあと、小一時間ほど他愛ない話をし
てから、心優の家へと向かった。
今日も、その幼なじみが居るから家での
待ち合わせは断ったんだとか。
さっきも家まで送ると言えば、一人で平
気だと遠慮したけれど。