【完】結婚させられました!?
いくら夕暮れが遅くなったからといって
、女の子を一人で帰らすわけにもいかな
いし。
それにもう、婚約のことは知ってしまっ
たんだから良いだろ。
駅から二十分程で、心優の家が見えてき
た。
そして心優の家まで着くと、少しだけ寂
しい気持ちに襲われる。
だって心優が、名残惜しそうに俺を見る
から、こっちまで名残惜しくなるんだ。
「じゃあ、また明日ですね!」
「心優」
「……なんですか?」
玄関を開けようとした心優に後ろから声
をかけると、心優は首を傾げて。
俺はそんな心優にクスッと微笑んだ。
「お休みのキス、する?」
「んなっ……!」
俺がそう言うと、見るからに真っ赤にな
っていく心優。