O.L.~Maple Honey Syrup~
―…‥
――…‥
―――…‥



「よくそこまで犠牲にするな」
『そうか?』



同期と呑むと毎回言われる。



仕事の手を止めて話しを聞いたり、遅くまで相談にのったり…。



どうやら理解出来ないらしい。



相談をうやむやにして後々大変な思いをする方が面倒。



だから火種が小さいうちに消す。



絶対にそっちの方が効率がいい。



「仕事終わっても拘束されているようなもんじゃん」
『誰かと呑むの好きだし』



本当に俺のなす事ことごとく理解出来ないらしい。



極当たり前の事をしているだけなんだけど…。



―…‥
――…‥
―――…‥



『ただいま』
「お帰りなさい」



この家庭的な香り…。



少し前には無かった。それだけでホッとする。



『回鍋肉だから急いで帰ってきた』
「今から準備するね」



微笑みながらジャケットと鞄を受け取る。



自分だって仕事でクタクタなのに…。



『忘れてた!』
「何を?」
『ただいまのキ・ス!』



いらないと逃げる愛しの人を後ろから抱きしめる。
< 48 / 59 >

この作品をシェア

pagetop