俺の事どう思ってる?!
 さすがの舞奈も表情を強張らせたが、すぐに戻り、講師の方を向き1回頷いた。



 参加禁止が指す意味は、準備する事も禁止という意味を指す。



 すなわち学年展に関わる事を禁止するという事である。



 それは、紫江、夢人にも痛手となった。今回3人は合同で1つの作品を作り発表する予定でいる。



 メインの服は紫江が作り、そのパターンを夢人が引き、小物は舞奈が作ると決めていた。



 舞奈が参加禁止となると舞奈の作品は没収さた。



 2人で作らなければならない。それには時間が間に合わない、何より舞奈よりもクオリティーの高い物を作る自信はない。



「じゃぁ、次の時間から授業に入るから」



 担任が去った教室の雰囲気は容易に想像がつくだろう。



 冷ややかな視線、あからさまな態度をとり、距離を空けるクラスメート達だけになった。



「じゃぁ、この前の入賞した作品も盗作なの?」



 心ない一言がきっかけで、舞奈は完全に孤立してしまった。



 夢人と紫江だけがすぐに駆け寄り、クラスメートに否定しようとするが止められた。



 悲劇のヒロインになった村田は、参加禁止となった事でより多くの同情を集めた。



「夢人、舞奈の事見てて…」



 教室を出て何処かに行ってしまった。香と治の所に行ったのかと思ったが、何の解決にもならないとその考えは消した。



『ごめん…』



 夢人だけに聞こえる声で謝ると、優しく撫でる夢人の温かさに涙が溢れ下を向いていた耐えていた。



 その姿を見ると、夢人は村田を睨み視線はそのまま村田を向き撫で続けていた。



「俺と紫江は信じてるから…舞涙は絶対に盗作なんてしてない。治も香も信じてるよ」



 小さく何度も頷くが、力は弱々しく消えてしまいそうだった。



 夢人は抱きしめたい衝動に駆られたが、ひたすら我慢して舞奈の頭を撫でていた。



 強い視線になった紫江が戻ってくると、直ぐに舞奈の冷え切った手を握り優しく話し掛けた。



「舞奈の無実を証明して見せるから。だから、今少しだけ耐えて。苦しかったら私達にぶつけて構わないから…」
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