恋愛指導は秘密のくちづけで
「まだ若くて楽しそうでいいですよね」


「なーにいってる。こいつらはまだ子供で高校の中で自由に泳いでるだけだ。

おまえだってまだ若いじゃないか。

これからたくさんつらいことも楽しいことも経験していくんだろ。

社会っていう広い海の中で泳いでいかなきゃならんけど」


鼻をかすかに雨のにおいがかすめていった。


天気は重くたれこめた雲のおかげでどんよりとした気持ちになりがちだったが、生徒たちの笑い声のおかげで高校の周りが晴れているようだった。


たまったかたまりがごそっととれて、心の中にあたたかいものが流れたような気がした。
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