恋愛指導は秘密のくちづけで
あんなに必死になって隠していたことを忘れたなんて。


「そろそろ戻らないと。近藤さんも心配してるだろうし」


「先生、本当に覚えてないんですか」


ベランダから廊下に入った瞬間、つい大きな声を発してしまった。


廊下中にわたしの声が響いた。


塚越先生は黙ってわたしの目をみつめた。


体の奥深くから血が逆流していくのがわかる。
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