恋愛指導は秘密のくちづけで
模擬試験前日の金曜日。


午前中に本社から届けられた模擬試験の問題用紙や回答用紙の束を二階の倉庫から三階の事務室に運ぶ。


一冊はそれほど分厚くはないのだが、100部200部ひとセットにして紐でくくられたものを担ぎあげるのは一苦労だった。


宮元さんは営業で外に出たまま帰ってこなくて、近藤さんは営業の資料づくりだといって自分の机から離れず、佐伯さんは生徒の対応をしていたりと、他の人たちも自分の仕事で精いっぱいだった。


わたし一人でなんとか塾構内分の準備を終えた。
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