恋愛指導は秘密のくちづけで
こうなることは予想はついていた。


好きだった先生に抱かれれば夢はかなう。


呪縛していたこの想いと忘れることができる。


そう思っていたのに。この恋の中身は殻だ。


いい思い出として甘くコーティングされているだけだ。


「目が覚めたみたいです。先生のキスで」


「は? 何いってる」


「先生のおかげで素敵な恋の夢をみさせてもらえました」


「……バカにしてるのか」


「先生はわかってるはずです。わたしも他の人もみんな、すぐに終わらせる恋を教えていることを」


言ってから気付く。いつからこんな言葉が自分の中で生まれたんだろうと。


きっとあの冬の教室からこの気持ちは消えていなかった。


「本当に好きな人は温存したまま、離そうとはしないじゃないですか」
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