恋愛指導は秘密のくちづけで
「それを承知でお前は俺を好きになったんじゃないのか」


「……わかってたはずだけど、わかってなかった」


答えは出ているはずなのに、自分勝手に恋を進行していた。


「俺の気持ちはどうなる」


「先生は……。先生も夢をみてたんですよ。恋する夢を。きっと」


「夢、か。笑わせてくれる」


子供っぽく笑うしぐさに胸をかきむしられるようだった。


「まだまだ子供じみたこと言っていられると思うなよ」


圧倒されそうな空気が湿った空気と相まっていっそうどんよりとさせた。


「これからずっと好きだってわからせてやるから」


先生がわたしの手をつかもうとした。その時、カバンの中から携帯の着信音がした。
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