恋愛指導は秘密のくちづけで
席に戻ると、近藤さんが声をかけてくれた。


「塚越先生、何か用だったの?」


「たいした用じゃなかったんですけど、いい話ができてよかったです」


「そう。それならいいけど」


「ごめんなさい。まだお昼まだでして」


「いいよ。急ぎの仕事、午前中にやってもらったから、ゆっくりしておいでよ」


「ありがとうございます」


佐伯さんもノートパソコンのすきまからウンウンとやさしくうなずいてくれた。


ランチ用のトートバッグを机の中から持ち出し、作業机のところへいった。


まだ万里くんの左手の感触が手に残る。


ドキドキして持ってきたお昼ご飯が喉をとおらなかった。
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