恋愛指導は秘密のくちづけで
大きな音を立てて、カバンは廊下に転がった。


あわててしゃがんでカバンを拾い、立ち上がる。


天井からバケツいっぱいの水を浴びさせられた心持ちになった。


教室の明かりが一斉につき、目がくらんだ。


ガラリと扉が半分開けられた。四つの眼がこちらを向いている。


とても好意的なまなざしではないことは知っている。
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