溺愛マリオネット
そんな縛られた、狂った決まりのせいかまだ若い章悟は息を詰まらせていた。
「僕にだって…好きな人は居る…」
そう、ポツリポツリと呟いて。
ーーー・・・・
ーー・・・
ー・・
「章悟!」
友達と会う約束をしていた章悟は待ち合わせの場所に少し早く着いてしまい持っていた小説に没頭していた。
だから自分の名前を呼ばれている事にまったく気づかなかった。
「おい章悟ー!」
耳元でデカイ声を出され初めて気づく。
友達がもう居たことに。