俺が彼女を抱けない理由
兄貴は誰の力も借りずにどんどん上に上っていく。
自分と比べるとますます惨めになった。
「じゃあな。。」
兄貴はそういって嬉しそうに帰っていった。
沙希も兄貴も自分の行きたい方へ進んでいく。
ずっとここに立ち止まってるのは俺だけだった。
ブーブーブ-
『もしも〜し』
『瞬っ。お前元気?』
『ちょっと遅れたけど無事就職できたから。笑』
『こっち戻ってきたのか?』
『おぅ』
『明日の夜とか暇?』
『大丈夫』
『じゃあその時に詳しく話すから』
『わかった』
久しぶりに聞いた親友の声に俺の心は少し救われたような気がした。
瞬にはいろいろと話せそうな気がする。
瞬にしか話せそうな気がしなかった。