優しい秘密
HOTELラスベガス
僕は緊張していた。

緊張にも色々ある。

軽い喉の渇きや発汗などの作用を体にもたらす緊張や、

恋愛や、お金、命、何にでも着いてまわる厄介な緊張。

緊張とゆうのは誰でもする。

女子や男子でも、関係なく誰でもする。

オバマ大統領だってする。

もし、しないって人がいたら、

その人はきっと生きて行けないだろう。

目を閉じて考えてもらいたい。




『もしそこに穴があったとする。』




あなたは想像する、場所や穴の大きさ、深さを。




『貴方は、ある人と、あることをする為、庭に行ってみると、その穴はとても深く、直径3メートルぐらいの大きな穴を見つけます。』




その穴を見てあなたは怖い、危ない、墜ちる、物を投げてみたり、写真を撮ってFacebookに


『穴ハケーーーーン!!!』とか『ついに、俺の家にも宇宙人が・・・』とか『隕石か?!!?』


など、色々考えるだろう。



そして、何故かワクワクしだす人もいれば、恐怖を感じ助けを呼ぶものもいる。



悪い事を考える人だっている。



『もういいや。あいつ穴行きだ』『貴方に変わって復讐します。』『ゴミの事ならおまかせ!』


その穴で金を生む事など至って簡単なのだ。


そんな中、緊張しない人は言う。




『入っていい?』




最近じゃ、テレビで

『半島で南北の緊張高まり各国は警戒に・・・』って、国まで緊張している。

だから、これはとても緊急を有する事態なのだ。




しかし、目の前の男はタンクトップに黒いスーツ、鍛え抜かれたであろうその完璧な筋肉。




逃げられない。。。後ろ姿だけでもわかる。



手には黒いファイル。

さっきからバシバシと音を立て歩き続ける男。

僕は歩きながら、窓に映る桜や、列を組み行進する人達を見て、

色々な『秘密』を思い出していた。



『止まれ。ここだ。』



男が言うと、そこにはまた別の男がいた。

彼はどちらかというとスーツを着た『おっちゃん』だった。

今時どこで売っているのか、まん丸の眼鏡、柄の部分はひらがなの『し』で、

シルバー色の、アルミホイルの裏側みたいな材質でできていて

ノリのような、ちょびひげもあり、

眼鏡も嘘みたいにずれているから、そう見えたのかもしれないがまるで


『マフィアの裏ボス』『ナチスの残党』『ニューキャラ』だ。


おっちゃんは怪しい笑顔を作り言う

『後はわかるな』

『ガラガラ』扉を開ける音が妙に大きく聞こえた。

緊張に押しつぶされてしまいそうだ。



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僕の家族         6年1組 鬼塚 夏

僕の名前は『鬼塚 夏』ナツ。

趣味は朗読です。

中学校3年の兄『春』ハル、

ハルは運動が得意で、愛犬のスマッシュよりとても速く走ります。

だけど、いつもテストの日になるとハルは病気になってしまいます。

お父さんの秋(アキ)、は母の事をいつも名前にさん付けで呼びます。

僕はお母さんの四季(シキ)が18歳の時の子供です。

僕達家族は本当になかのいい、血の繋がった四人家族です。

僕の家は山梨県の富士山の麓にあるホテル『ラスベガス』の隣にあります。

そして、家のすぐ横にあるホテルラスベガスには、小さな子供から高校生ぐらいまでの、18人の子

供と親分と保母のさんが住んでいます。彼らは血は繋がっていないけどみんな僕の本当の家族です。


裏庭には、二羽ニワトリがいて、名前は動物愛護団体の母が

『ねぎま』と『つくね』と名付けました。

こうすれば鳥を殺して食べたり、動物達を無駄に殺生しないだろうと言っていましたが、母はネギマ

とつくねにエサをやりながら

『焼き鳥食べたくない?』と真顔で言い残し、東京で焼き鳥のお店を成功させています。

その他にも、『クラブシーズン』という女の子が強い男の人から身を守り女の武器を磨くための学校

や児童演劇団、福祉活動、ホテル『ラスベガス』のオーナーもしています。

お父さんも、お母さんも昔は『ヤンキー』だったので、今お母さんは街で『困ったヤンキー』を助ける仕事をしています。

お父さんは家では母の代わりに『ママ』をやっています。

ママは朝起きるとまずハルを起こします。そして僕を起こすと畑で採れたばかりの野菜と、

『ネギマ』と『つくね』が産み落とした卵を使って、僕達の朝ご飯とお弁当を作ります。
お父さんの料理はとても美味しいので是非皆にも食べてもらいたいです。』


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『終わり。』



『ハーイありがとう。自己紹介の作文、よくかけてるね〜。鬼塚 夏君ねぇ。皆、分からない事や困っている姿を見たらちゃんと、助けてあげてなぁ!』

『は~い』

『夏君のお兄ちゃんの病気は先生もよーく知ってるぞぉ!こん中にもばっくれて見つかっちゃった馬鹿チンいたよなぁ?』

・・・・・。

『夏君。またお兄ちゃんが病気んなったら先生が治してやるぞ!おまんらもだぞ!』
・・・・・。

『そんじゃぁ、みんな仲良くしろし~』

『は~い』
ほんじゃぁ、昨日の続きやるから本開いて~・・・


『おい、俺タカヤなっ!俺の親もヤンキーだから!』


僕はまだドキドキしていた。転校初日の緊張もあるけど、転校はこれが初めてじゃないし、甲州弁

に動揺した事でもないし、ウラニワニワにゃあと、咬んで言った事でもないし、

隣に立っていたタンクトップの男がまさか、同級生だったことでもない。それは、


『小学校6年生の作文』


を書く事だった。



『よ、よろしく』

『いいよ。』


かなりの上から目線でタカヤは言った。


タカヤ『俺、学級番長ね!』

(は?)

作文の続きを続けると・・・僕は病気だった。
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