キャバクラ探偵遥奈
るみ
「遥奈、ちょっといいかな」

遥奈
「…なんだろ」

るみ
「昨日の夜だけど、何してた?」

遥奈
「私はお休みもらったから、寝てたよ」

るみ
「…
ねぇ!鼠小娘って知ってる
コスプレした盗っ人だけど
町方で追ってる悪人」

遥奈
「急に何?
それにその人、悪人じゃない
悪徳問屋からしか盗まないし、貧しい人にお金を配ってるし」

るみ
「盗っ人は悪人よ
捕まったら死刑」

遥奈
「捕まらないよ
それに庶民のヒーロー
みんなの味方」

るみ
「本当に味方かしら…
貧しい人にお金を配る事が、いい事とは限らない」

遥奈
「高利子の悪徳問屋のお金だよ
元々はみんなのお金
悪くわないと思う」

るみ
「どうだろ…
鼠小娘からお金をもらった貧しい人だけど
確かに、助かったでしょ
でもね
お金を鼠小娘からもらえるからといって、ますます働かなくなる者や
鼠小娘を頼りにした怠け者も増えたの
一概に、貧しい人にお金を配る事が、いい事とも言えないの
分かるかな?」

遥奈
「そぅなんだぁ〜
知らなかった…」

るみ
「そうでしょ
鼠小娘のしている事は、いい事とは言えないのよ」

遥奈
「そうだね分かった」


るみの説得は、どうやら成功したようである

次の日から、二度とコスプレ鼠小娘が現れる事はなかった

しかし
このコスプレは、江戸時代の脚場暗(キャバクラ)で流行り

それに大喜びする男がいた


あっき〜
「スチュワーデスさんだ
!(^^)!」


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