ベストマリアージュ
「嫌です」


きっぱりはっきり私は優也の誘いを断った。


なんでこんな日にあんたとご飯食べなきゃなんないんだ!という思いをこめて……


だいたい、優也は一度私にキスしてきた男だ。


二人きりで会うなんて危なくて仕方ない。


いくらさとしが好きなゲイだと言われたって、平気で挨拶がわりにキスされてたんじゃ、さとしに顔向け出来ないし。


あの日のキスだって、さとしには秘密にしてるから、後ろめたいことこの上ない。


「そんなこと言わないでさ

お腹空いたんじゃない?

どうせ、さとしとは一緒に食べれないんでしょ?

せっかくの誕生日に、まさか一人でルームサービスとか寂しいこと言わないよね?」


そうだけど……


その通りだけど、一緒に食べる相手はさとしがいいもん。


別の人で埋めるとか有り得ない。


返事をしない私に、優也はクスクス笑いながら、からかうように言った。


「取って食いやしないって

珠美ちゃんがしたいっていうなら、してあげてもいいけど」


「は、はぁぁぁ?

そんなわけないじゃん!」


思わずそう叫ぶと、優也は相変わらず可笑しそうに吹き出した。


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