ベストマリアージュ
自分でもつくづくバカだと思う。


警戒してたはずの優也にまんまと引っ掛かってるなんて……


一度目にされた触れるか触れないかの可愛らしいキスなんかじゃない。


こんなの……さとしにどう言い訳したらいいの?


「……ぃや!」


力一杯優也の胸を叩いて押し返した。


息苦しさに酸素を求めながら、大きく息を吸い込む。


「なん……で?

なんでこんなことするの?

さとしが好きなんでしょう?」


ペロリと唇を舐めながら、優也は面白そうに、好きだよ?と言った。


「だったら、私にちょっかいだしてないで、さとしに直接言えばいいじゃない!」


泣きたくなんかないのに、涙が止まらない。


あんなのキスなんかじゃない、殴られたのと同じだ。


そう思ってるのに、リアルな感触がまだ唇に残ってる。


優也は相変わらず冷めた目で私を見下ろしてた。


フンって鼻で笑ったあと、首を傾げながら口を開く。


「さとしが受け入れっこないって思ってるから、そんなことが言えるんだろ?

自分は愛されてるから、優也くんは報われない恋をしてるから、とかそんなとこ?」


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