ベストマリアージュ
「……ふうん、それが本音ね?

そんな風に思われてたんだ、俺」


「あ、いえ、その……」


「まあ、いいけど

外れてはいないから」


ニヤッと笑って、優也は私に一歩近づく。


「さとしにさ、俺に近づくなって言われたんでしょ?

でも押しに弱い珠美ちゃんは、こんなとこまでのこのこやってきて、俺と誕生日ディナーしちゃってるんだもんね?」


「だ、だって、さとしに頼まれたって……」


ジリジリと近づいてくる優也に、私はその分だけ後ずさる。


「それも嘘だって薄々は感づいてたんでしょ?

なのに、俺に同情したのかな?珠美ちゃんは

いつもそうやって上から目線だよね?」


優也の目はもう笑ってなかった。


怖い!


そう思ったときにはもう、私の背中は壁に押し付けられていて、優也の顔が目の前に迫ってた。


「俺のこと、可哀想とか思ってんなら、勘違いだよ?珠美ちゃん

可哀想なのは、あんたの方だから」


「……っ!やっ……ん」


目の前にあった優也の顔が、視界いっぱいに広がって、あっという間に私は唇を奪われていた。


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