【完】999本のバラを君に。






翔太は、あたしの手をギュッと握る。



「……永遠が、あればいいのにな」



そう、翔太は小さく呟いた。


「この幸せが、永遠に続いて欲しい自分がいる」

「……うん」

「正直、高校なんてどうでもよかったんだ。将来高卒ぐらいしといた方が良いかなーってだけで、とりあえずレベルと行きやすさで選んで。まぁ、最初に行ったとこはつまんなくて一年で転校したけどなっ。
だから、こんな風に、友達も彼女も作るつもりなんてなかった。

本気で誰かを好きになるつもりなんて、なかったんだよ」

「うん……」

「でも、そんなこと思ってたくせに、初めて学校に来た日、桜の木を見てる女の子に一目惚れ」

え……?

「名前も知らない女の子に、まさか一目惚れするなんて思ってなかったよ。んで、近づくためにいろいろ考えてさ。そしたら、だんだんと学校が楽しくなったりして友達もできて。


……真優、俺を変えたのは、他の誰でもないお前だよ」


あたしの瞳から、涙が溢れ出す。







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