【完】999本のバラを君に。
昼休みになれば、あたしは悠太君と屋上で食べる日々。
「悠太君、いつも買い弁だよね。コックさんとかいないの?」
「いるわけないだろ。一人暮らしなんだから」
「へ??」
あ、あれ??
「家、出たんだよ。なーんか嫌になっちゃって」
「へぇ……意外」
「は?」
「だって、悠太君は家を出るのが苦手そうだから」
「なんだそれ。苦手って……。俺も男なんだから、もう一人でも平気」
そういうもん、なのかな……。
「……今度、くる?」
「え?」
「俺の家」
「……うん。行って、みようかな」
あたしがそう返事をすると、悠太君は嬉しそうに微笑んだ。