君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)


「とても良さそうですね・・・ふむ。ロック様、何か良い事でもございましたか?」


---何で、ルイスまでコイツと同じ事を聞くんだよ。


「別に、何もない」


いつかのデジャヴか?

この後の遣り取りが、手に取るようにわかってしまうのは気のせいだろうか・・・


「それにしては、ここ最近にはないほど体調が良いように窺えますが・・・」


ルイスの答えに確信を得たのか、その隣にいるヴァイスがニヤリと口角を上げたのが見えた。


---また、だ・・・


「わかっちゃった~!! あれでしょ? お気に入りの焼き菓子の女!!」


いつの頃からか、焼き菓子の女呼ばわりされているフローラ。

コイツに彼女の名前を教えなくて良かったと心底思う。

教えていたら・・・きっと今頃、大陸中を探しているに違いない。


「やっと、王子様が動いたか~」


ニシシッ・・・と口元に手を当てながら、ルイスと顔を見合わせているヴァイス。

この先の流れがわかってしまった俺は、二人の前を素通りして部屋を出た。



< 26 / 393 >

この作品をシェア

pagetop