君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)


姿を見せたのはラベンダー色のワンピースに身を包んだ姫さん。

丈は膝より上でそれを視界に捕らえた王子が眉間に皺を寄せた。


---あ~ぁ。王子の機嫌がどんどん悪くなるんだけど・・・


「フローラちゃん、今日も美しいね。特に足がとっても・・ひっ!」


空気が読めないニコル。

話している途中で言葉を区切ったのは・・・

前方から飛んできたナイフだった。


「に、兄さん・・?」


後ろの壁に突き刺さっているナイフを見て顔を引き攣らせるニコル。


「何だ」


ナイフを投げた張本人は涼しい顔で視線をニコルに向けた。


「アレは何かな・・・?」


「ナイフだろ」


と、さも当たり前のように答えた。


「刺さったら危ないよ!」


ナイフを指差して訴えたが・・・


「・・・・」


無言でニコルを一瞥するとソファーから立ち上がってベッド脇にあった膝掛けを持って戻ってくる。

近くにいた姫さんを椅子に座らせると膝掛けを掛けた。


「・・・ありがとう」


いつもなら王子の顔を見てにこりと微笑むのに今日は恥ずかしそうにして目を合わせない姫さん。


---王子といい、姫さんといい本当に何があったんだ?


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