君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)


ある程度の数は用意されていると予測したところで


「んじゃ、まぁ、取り敢えず・・・」


お嬢さんに着けている手綱を片手で持って、詰めて来た荷物をガサゴソする俺。


「何してるんだい? ヴァイス」


俺の肩越しに覗き込んで来るニコルは、不思議そうな顔をする。


「あ? 敵の数がそれなりにいるとわかれば、今の内に腹ごしらえしとくに決まってんだろ」


袋から取り出した干し肉を口に放り込めば


「まだ、出発したばかりだよね? 今から食べちゃったら、フローラちゃんの所に辿り着く前に食料なくなっちゃうんじゃないの?」


眉根を寄せて口を挟んでくる。


「無くなったら、何処かで調達すればいいだけの事だろ~?」


元々、こんなもんで足りるとも思ってねぇし。

間違った事は言ってねぇ筈なのに


「ヴァイス・・・君、バカなの?」


「あ゛?」


ニコルにバカ呼ばわりされた。


「あのさぁ? 今、何しに行ってるんだっけ?」


< 371 / 393 >

この作品をシェア

pagetop