温め直したら、甘くなりました
「……確かに、運命かもしれないわね」
茜が割り箸を置いて、空になった俺の紙コップにお酌してくれた。
今日は着物でなく洋服だが、仕草がいつもの“若女将”のときの茜と同じで、とてもサマになっている。
「最近、集のばかげた計画とやらに付き合うのが楽しくなっているのよ?振り回されて腹も立つけど、何故だか無視はできなくて……
今日だって、なんでこんな雨の中であなたとお弁当を食べているのかしら。解らないけど、楽しいわ」
クスクス笑う茜は、酒のせいか頬がほんのり赤く染まっている。
おお。今の茜は無防備だ。そして雰囲気も悪くない。キスの一つでもしてみようか、せっかくのデートなんだし。
「茜」
「なぁに?」
小首を傾げた彼女の唇に、そっと自分の唇を重ねた。
すると触れた部分から伝わる茜の体温が思った以上に高くて、俺は嬉しくなってしまった。
俺のキスで、茜は身体を熱くしている……これはいけるぞ。
ただ、この先の行為に及ぶには、もっと人目につかない場所でなければ。