雨から晴れた空へ
先輩
 高校二年生の花城美雨は気になっていた同じ高校の先輩にフラれたばかりだった。理由は美雨が恋愛初心者で、キスもしたことがないから。
 今まで恋人ができたことがないから、仕方ないことだ。

「雨・・・・・・」

 さっきまで晴れていたのに、フラれてから急に雨が降り出した。美雨は今日は晴れだとばかり思っていたので、傘を持っていなかった。
 雨は容赦なく、美雨を濡らしていく。
 ーー雨なんて嫌い。

「美雨ちゃん?」
「今津先輩?」

 学校の教室から出ようとしたときに偶然会った人は美雨の先輩の今津陽人。

「傘を持っていないのか?」
「はい。天気予報では晴れだったのに・・・・・・」
「午後から雨だって聞いていたぞ」

 おかしいな、聞き間違いだったのかな。
 雨はさっきより激しく降っていた。今日は家に誰もいないから、家には帰りたくなかった。

「美雨ちゃん、家はどこだ?」
「私、帰りたくないです」

 美雨は言ってすぐに後悔した。陽人は驚いて何も喋らなくなった。
 何か喋らなくてはと思い、とっさに思いついた場所を口にした。

「書店です!」
「ああ、書店に行きたいのか?」
「はい!」

 美雨は思わずそう言ってしまったので、陽人の傘に入れてもらって、二人で書店へ行くことにした。
 陽人は姉に雑誌を買うように言われたので、ちょうど良かった。
 高校から近い書店は電車で十分のところにある。そこは椅子が置いてあり、誰でも気楽に本を読むことができる。

「美雨ちゃんは雑誌を読むことはあるか?」
「は、はい!たまにコンビニで読みますよ」
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