怖がりな兎さんとからかう狼さん
狼の気持ち
「海翔、ペンを借りてもいい?俺のインクが出なくなっちゃって」
「あぁ」

 筆箱からペンを取り出し、広樹に渡した。

「さっさと部屋から出て行け」
「そんな言い方ないんじゃない?たまには話そう」

 どうでもいいから、いつまでも居座るな。

「話すことなんてない」
「風音ちゃんと仲よくしている?」
「している」
「俺も愛葉と仲良くしてるよ」
「そんなことを話したかったのか?」
「たまには恋愛話を聞いてみたいなと思ったから」
「言っておくが、俺とあいつは恋人同士じゃない」

 まだなとは口に出さなかった。

「そうだったの?あれだけべったりひっついているってことは海翔の一方通行?」
「うるさい」
「休みも外へ行くようになったね。風音ちゃんの影響は大きいね」
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