キミとの恋に気づいたとき
 闇はなくなり明るくなったのに、相変わらず何も見えなかった。

 どうして何も見えないのか。
 再び考えると答えは簡単だった。

 あ、目を開けてないじゃん。

 しかし、瞼を開けようとしたが簡単には開かなかった。

 瞼ってこんなに重かったか?

 
 今度は瞼の開き方、目の開け方を考えてみる。
 いつもは無意識にやっている事なのに考えたのは初めてだ。


 『・・・おい、』


 あ、

 ため息交じりの低い声。

 
 『お前はバカか、早く目を開けろ』
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